日本最古の映画館の一つである「シネフク大黒座」(広島県福山市)が、122 年の歴史に幕閉じ、2014 年8 月に閉館しました。映画「シネマの天使」は、取り壊される間際の実際の大黒座を使って撮影した、映画館の閉館をめぐるノスタルジックで心温まる物語です。映画館での実話も取り入れ、映画館で働く人々と観客の思い出が交錯する様を、去りゆく名画座の最後のドラマとして美しく描き出しました。昨年来、日本全国で昔ながらの映画館が次々に閉館しています。大型シネコンへと時代が移りゆく中、数々の名作映画を通じて夢を与え続けてくれた映画館は、私たちに何を残してゆくのでしょうか…。
■作品情報
作品名: シネマの天使
監督・脚本:時川英之(「ラジオの恋」、広島県出身)
出演:藤原令子、本郷奏多、ミッキー・カーチス、阿藤快、岡崎二朗、安井順平、横山雄二、
及川奈央、石田えり
プロデューサー:益田祐美子(「瀬戸内海賊物語」「築城せよ!」)
製作:シネマの天使製作委員会 配給:東京テアトル 配給協力:キネマ旬報社
劇場公開:2015 年10 月31 日(土)広島先行公開、11 月7 日(土)全国順次ロードショー
公式サイト:cinemaangel.jp
■キャスト
主演は、岡山県出身の透明感あふれる藤原令子が、映画館「大黒座」で働く新人社員を好演。相手役、映画を作りたいと夢見る青年バーテンダーが、今夏の大作『進撃の巨人』出演の本郷奏多。共演に、謎の老人 ミッキー・カーチス、ベテラン映写技師 阿藤快、閉館の重圧を担う支配人 石田えりら、個性ある俳優がそろい、群像劇が繰り広げられる。また広島にゆかりのあるキャストも多数出演。中でも広島県出身の及川奈央は、広島でカリスマ的人気を誇るアナウンサー横山雄二とともに、登場人物の夢の中に出てくる不思議な人物を妖美に演じた。
■ストーリー
122 年続いた老舗映画館の大黒座が閉館することになった。そこで働き始めたばかりの新入社員 明日香(藤原令子)は、ある夜、館内で謎の老人に出会うが、彼は奇妙な言葉を残し、忽然と消えてしまう。大黒座で映画を見て育ったバーテンダーのアキラ(本郷奏多)は、いつか自分の映画を作りたいと夢見ているが、何もできない自分がもどかしい。大黒座の女性支配人(石田えり)は、閉館に反対する人々をなだめながら気丈に振る舞っていた。泣いても笑っても、もうすぐ、大黒座はなくなってしまう…。劇場の壁という壁が、町の人が書いたメッセージで埋まっていく。そしてついに閉館の日。スクリーンに最後の映画が映しだされ、劇場を埋め尽くす観客は、それぞれの思い出に胸を熱くする。その時、明日香の前に、謎の老人が再び現れ…。